《MUMEI》

「酒井、何?」


「あの、瑞乃くん、私 何かしたのかな?手紙貰うような事。」


「は?え〜と…うん、した。酒井は 僕に 何かしたよ。」


…やっぱり そうなんだ。乃理は 泣きそうになった。


「瑞乃くん ごめん、手紙 なんて書いてるか 分かんなかった。
万年最下位の私には 無理です。」


「ま、万年最下位?」思わず 手を離してしまった。


酒井は 素早く 教室から 走り去ってしまった。


「あ、しまった。」
慌てて 後を追う。


「酒井〜結構 足速いな。でも 僕から 逃げられないよ。」


瑞乃くんは 不敵に 笑い、足を止めた。


そして 教室に戻り、乃理の鞄を持ち、ある場所へ向かった。


その頃 乃理は 必死に逃げていた。(冒頭シーンです)

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