《MUMEI》

また人数不足か…


しょうがないな…


「翔太。」


「はい?」


「混ざろ〜か。」


「え!?インディアンランニングから!?」


「そ。」


「だぁ〜↓↓マジかい↓↓」


「早く行くぞ!!」


「…あ〜い。」


翔太は昔からただただ走る練習が嫌いだ。


まぁ僕もだけど。


「赤高〜!!」


僕が先頭になったら…


前に行かせないよ。


「だぁ〜!!」


翔太がダッシュ。


僕も無駄にダッシュ。


先頭に来るまではダッシュ。


先頭は譲らない。


もはや僕と翔太の一騎討ち。


選手たちは置いてけぼり。


「なぁ〜!!」


気合い入れまくり。


(何だあの人たち…)


とうとう翔太が僕を抜く。


でも、ダッシュ継続。


「え!?」


「ユキヒロダ〜ッシュ!!」


「マジかよ!?」


ユキヒロがダッシュ。


ただのランニングが、


ありえないくらい盛り上がってる。


「あいそこまで〜。」


「はぁはぁ…」


全員息切れ。


さすがに僕もキツいな…


(クロさん…、喫煙者のくせに何てスタミナしてんだよ。)

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