《MUMEI》

外でのランニング。


インディアンランニングであんだけ走って、その後の練習もそこそこ厳しかったはず。


でも、外でのランニングもそろそろ慣れてきたようだ。


しかし…


今日も椎名の順位が下がってる…。


(あいつ…)


何気にしてんだよ。


やっぱ千秋のことか?


「椎名。」


「…はい?」


「千秋ん家分かるか?」


「…はい。」


「よし。じゃあ行くぞ。」


「え?」


「お前ら上がってい〜ぞ。」


「は〜い。」


「明日遅れんなよ〜。」


「は〜い。」


「…」


「…よし。乗れ。」


「…マジすか?」


「ハリ〜アップ!!」


「…はい!!」


椎名を車に乗せ、千秋の家に向かう。


〜♪


「…クロさん、このアーティスト好きなんすか?」


「え?あぁ、うん。知ってんの?」


「はい。自分も好きっすよ。」


「へ〜、結構マイナーなのに。」


「ですね。話せる人少ないすもん。」


「あ〜、そうそう全然話せるやついないんだよね〜。」


窓を開けて、タバコをくわえた。


「あ、そこ右です。」


「おけ。」


そして火をつけた。

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