《MUMEI》

気づくと鏡の中の私は、いわゆるモテ系な感じの女の子に変身していた。


「なんか雑誌に出てきそうだよね…私…」


鏡の自分を見てニヤニヤしてると、吾朗くんが床の髪の毛を掃きながら、


「ユリカさん、一気にあか抜けましたねぇ〜」


と、驚き顔。そして…


「さすが店長!!」


って…ヒデさんかいっ!?


そんなヒデさんは満足そうに微笑んで、


「ユリカはいつも耳に髪をかけてダサいでしょ。だから耳にかけても可愛く見えるようにしてみたのぉ〜」


と、さりげない言葉の暴力で私を傷つける…(-_-)



でも…なんだか嬉しい。



「どう?満足した?」


「とってもo(*^▽^*)o」


私は飛び跳ねるように席から立ち上がった。

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