《MUMEI》
部屋割
旅行当日。


「ブーツいいなあ〜、私も欲しい!」


集合場所に現れた歌穂子さんは、秋色パンプスに、ニーハイソックスを合わせていた。


「良かったら帰りに『シューズクラブ』に寄ってく?」


「はい!」


俊彦の言葉に、歌穂子さんは目を輝かせた。


「そのかわり、部屋割なんだけど…」


「それはダメです!」


歌穂子さんはきっぱり言い切った。


『部屋割の決定権』を獲得したのは祐介さんだったが、実際に部屋割を考えたのは歌穂子さんだった。


「残念だったな、俊彦」


今年は遅刻しなかった祐介さんが、嬉しそうに言った。


「残念なのは、お前と勇も同じだろ?」


俊彦の言葉に、律子さんの隣にいた勇さんがピクリと反応した。


「「お前を道連れにできれば本望だ」」


祐介さんと勇さんは声を揃えた。


そして、私は俊彦をなだめながらバスに乗り込んだ。

「さぁ、出発よ!」


今年、この旅行を仕切っていたのは、麗子さんだった。


瞳さん・薫子さん・結子さん以外で商店街のメンバーをまとめる事が出来たのは、マイペースな愛理さんよりも、しっかり者の麗子さんが適任だった。


(今年も何かやるのかな?)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫