《MUMEI》

私の視線に気付いた歌穂子さんが、恐る恐る質問してきた。


「ううん。私も…」


私は、俊彦に気付かれないよう二人に告げた。


「私も、二人と同じ気持ちだし」


ーと。


「「ですよね〜!」」


律子さんと歌穂子さんが声を揃えた。


「「何がだ?」」


隣から、祐介さんと勇さん返事をした。


私達三人は、顔を見合わせた。


律子さんは、代表して『何でもない!』と答えた後


「気を付けましょうね」


と言った。


私と歌穂子さんは、無言で頷いた。


(しなくてホッとしてるなんて俊彦が知ったら…)


想像して、私は恐くなった。


コンコンッ


ギクリッ


「は、はい」×3


私達三人は緊張しながら返事をした。


「? …開けても大丈夫?」

声の主は、隣の三人では無かった。


私達三人はホッとして、声の主を招き入れたのだが…

声の主


麗子さんはとんでもない物を置いていった。


「じゃあ、支度出来たら隣、手伝ってあげて。

午後六時、食堂集合だからね」


麗子さんは、それだけ言って部屋を後にした。

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