《MUMEI》 メイド再び「あの…もしかして、これって私達…も?」 律子さんの質問に、私は頷いた。 「こんなヒラヒラヤだ〜!」 シンプルな服装を好む歌穂子さんは、悲鳴を上げた。 (私のよりはいいと思う) 私は、五月に着たメイド服を見つめてため息をついた。 律子さんと歌穂子さんのメイド服は、私のよりはフリルやレースが少なかった。 (多分、結子さんが急いで作ったんだろうな…) 私は、結子さんが八月三十日のパーティーで、さりげなく律子さんと歌穂子さんの服のサイズを訊いていた事を思い出していた。 (理美さんや麗子さんの分も作ったのかな?) 私がそんな事を考えていると… 「「あの、これ、本当に着るんですか?」」 律子さんと歌穂子さんが恐る恐る質問してきた。 「…麗子さんがわざわざ持ってきたから、多分…」 「「…」」 二人は覚悟を決めたようで、黙々と着替え始めた。 「すみません、ファスナー上げてもらえます?」 「あ、うん」 先に着替えた私は歌穂子さんの後ろに回り、ファスナーを上げた。 「あの、靴は…」 「履いてきたのでいいと思います」 (さすが、結子さん、…だな) 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |