《MUMEI》

私のメイド服は白いレースとフリルがついていたが、二人のフリルとウエストのリボンはワインレッドだった。


「隣、どうなってるんですかね?」


「私達がメイドだから、…執事とか?」


(それは、どうだろう…)


私は去年の女装軍団を知っているから、嫌な予感がした。


その時。


「後ろファスナー届かない!」


「足がスースーする!」


「うわ、気持ち悪いなお前ら」


「「似合うお前が変なんだよ!」」





隣の三人の会話を聞いた私達は、ものすごく嫌な予感がした。


(手伝い、行かないといけないのよね…)


私達三人は、ゆっくりと立ち上がった。


コンコンッ


「はい!」


(やっぱり…)


扉を開けた俊彦は、…


メイド服を着ていた。


唯一救いだったのは、男性陣がロングスカートを履いていた事だった。


(…喉仏を、フリルで隠すのは、微妙だな)


男性陣の女装を見るのは私は二度目だったから、まだ冷静でいられた。


「後は、メイクとウィッグ?」


「うん!よろしく」


私は笑顔の俊彦と一緒に、部屋に入った。


「「あ〜、可愛いメイドさん達だ!」」

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