《MUMEI》 「うわ、キモッ!」 祐介さんを見た歌穂子さんは、正直すぎる感想を述べ 「りっちゃん?りっちゃ〜ん!」 律子さんは、勇さんから顔を背けていた。 「あれ?皆、デザイン一緒なんですか?」 そんな中、免疫のある私だけがその場にいる全員を直視できた。 「今回は、さすがに結子も一人じゃ無理で、愛理と咲子さんに手伝ってもらう関係で、シンプルにしたらしいよ。 でも、ほら、お揃い!」 そう言う俊彦のフリルやリボンは、確かに私と同じ白だった。 「じゃあ、俺は蝶子に綺麗にしてもらうから、二人は律子さんと歌穂子ちゃんに何とかしてもらいなよ」 「「何とかって…」」 声を上げたのは、頭を抱えている律子さんと歌穂子さんだった。 それから、律子さんは自分と同じ綺麗系メイクを勇さんにほどこし 歌穂子さんは、祐介さんの目を何とか大きく見せようと、アイメイクに時間をかけ、ギャル系に仕上げていた。 私は、俊彦を綺麗系に仕上げるつもりだったが、俊彦が私と同じメイクを希望したから、可愛い系に仕上げた。 (それでも、似合うなんて…) 私は俊彦に、ロングヘアのウィッグをかぶせながら、複雑な心境だった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |