《MUMEI》 《もしもし、蝶子ちゃん?》 「うん、ごめんね。遅くなって。これから、お風呂入って寝るから、心配いらないからね」 《それって…》 「女の子同士だから、大丈夫よ。父さんも、夏に会ったでしょう? 祐介さんの親戚の歌穂子ちゃんと、あと、勇さんの彼女の律子さん」 《そっかぁ〜》 父はやっと安心したようだった。 「商店街の旅行だもの、俊彦と同室のわけないでしょ?」 《だって貸し切りだって言うし、商店街の連中って意外とオープンだから…》 (鋭いなぁー) 父は、その勘を頼りに、旅行前日『旅行中、ちゃんと様子報告してね!』と私にメールしてきていた。 「大丈夫よ。それに、私はいいって言われても、そういうの、…皆がいると思うと、嫌だし」 《そ、そうだよな、蝶子ちゃんは》 「うん」 私の言葉に、父は安心したようだった。 そして、私は父に『お土産送るから』と言って、電話を切った。 そして、押し入れの前のバックに携帯を入れた。 (ん?) 反対側…布団が入っていた押し入れのふすまが僅かに開いていた。 (閉め忘れたのかな?) 私は、ふすまに近付いた。 …押し入れが自動で開く 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |