《MUMEI》

スカイハンド。


ハンドボールシューズの一種で、人気だから履いてるやつも多い。


最大の特徴として軽さがあげられる。


その為、走る量の多いサイドが好む靴だ。


一概にそうとは言えないが、実際にクロや日高、関谷と八嶋といったサイドプレイヤーが履いている。


「よし、行こ〜か。」


「はい。」


着替え終わった僕たちは、体育館へと向かう。


西条はもうアップを始めてる。


「…ホントだ。」


向こうのコーチが履いている靴は、紛れもなく廃盤になったスカイハンド。


しかもよく見ると傷だらけだ。


顧問になったから買う靴。


にしてはスカイハンドはあり得ない。


ただ、履くだけならスカイハンドなんて選ばない。


高いからだ。


さらにあの使いこんだ感じ…


恭介の言う通り経験者だな。


たぶん、靴の裏なんてすり減ってボロボロになってるはずだ。


油断できね〜な…


「集合!!」


「はい!!」


「時間がない。四角パスから始めろ。」


「はい!!」


ハンドルネーム、スタートライン?


経験者のくせしやがって。

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