《MUMEI》

「………………当然のことを言うな!

ペットはペットらしく主人に傅いていればいい!



それともなんだ?そんなにこの薬が気に入ったか?」

氷室様はスプーン一杯に薬を盛る。

「ひ、氷室様ごめんなさい。図に乗りました、だから、薬は嫌なので止めてください………………」

僕の懇願に耳を傾けてくれたのか氷室様はゆっくりと笑いかけて下さった。


「………………イ いいああああああああ!」

チューブが空になるまで塗り切られ、膝と肘からはシーツのように毛が盛られていた。







「さ、寝るか。」

「氷室様……

手足の手錠は外して下さらないのですか……僕お手洗いに行きたいです……」

それに、ずっとこの体勢は辛い。

「寝返りをうつと薬が効かなくなるだろう?」

氷室様が布団に入りながらおっしゃった。

「はい!」

………………氷室様ったらそんな心配して下さらなくても良いのに!


あれっ、じゃあ朝までこのまま…………?!





……………………トイレ!

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