《MUMEI》

「取り返すぞ!!」


「おぅ!!」


西条の選手もやる気はあるようだ。


「サイドオッケー!!」


初得点を速攻で決めたせいか…


中々いいムードだ。


「くそ!!」


センターが1対1を仕掛けてきた。


でも…


「それは強引すぎだね。」


「ピー!!」


オフェンスチャージ。


赤高ボールだ。


「リスタート!!」


ボールを拾ったのは椎名。


日高、関谷が走っている。


今度は日高へパスが行く。


「ナイッシュー!!」


2対0。


「あ〜!!もう!!」


あの女…
ホントになんの策もないのか…?


西条ボール。


また下手くそなパス回しだ。


センターがエース45にパスをしようとした時だった。


関谷が、飛び出す。


パスカット。


「1人で行け!!」


ユキヒロが叫ぶ。


その言葉の通り、関谷が1人でボールを運ぶ。


「ナイッシュー!!」


3対0。


(こんな上手く行くのか?)


単純にあいつらが下手なだけ?


あの女はホントに何も考えてないのか?


なんだか…


考えれば考える程わからなくなる…


「何焦ってんだよ?」


「え?」


「とりあえずいい流れじゃね〜か。考えるのは後にしろ。」


「…そうだな。」


恭介の一言で、とりあえず落ち着きを取り戻す。


勝ってるのに喜ばないなんて、どうかしてたのかな。

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