《MUMEI》 相当な熱さだったようだ。水を一気飲みしている。 「そういえば服着る?」 ずっとバスローブなのは不憫だ。 「…………その言葉、待ってた。」 まだ口元を押さえているあたり、もう一杯水が必要みたいだ。 「一応、遠慮してた?」 思慮深い? 「耐え忍んでた。」 「……さいですか」 肩までギプスがついていて、中々合う服は見付けられなかった。 袖や裾が微妙につんつるてんだ。 「なあなあ、Tバック履いてみた?」 ウケ狙いで渡されて未開封のを宛てがってやった。 「勝手に段ボールから拝借したから。」 余念なくかわしてくれた。 「下着泥棒!」 なんだ、ちょっと期待したのにTバック……。 前へ |次へ |
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