《MUMEI》

主導権を握っていたかのように思えた赤高であったが、試合開始から15分がたった頃…


4対5。


「5連取…」


まさか5連取もされるとは…。


村木から点を重ねること。


こっちは逆に点を取れないこと。


負の連鎖が…


「ナイッシュー!!」


始まっていた。


4対6。


「…さて、どっちからかな。」


「何が?」


「得点させないか、得点するか、どっちからやるかってこと。」


「…策があんの?」


「策っていうか、考えはあるよ。」


通用するかどうかはわからない。


「どっちもやるか。」


「できんの?」


「僕ならね。」


(どっからそんな自信が来んだよ。)


「千秋!!」


「?、はい。」


赤高唯一のベンチメンバー、千秋を呼ぶ。


「話は聞いてた?」


「だいたいですけど…。」


「よし。今からお前に作戦伝えるから、行ってこい。」


「…はい!!」


「いいか、まず…」

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