《MUMEI》

「明石君、僕ね、文芸部に入ろうと思うんだ。」

「本当?!三年生意外に一年生二人しかいなかったから助かるよ。」

氷室様のお陰で僕はクラスメイトと話せるようになれて良かった。

「タマ!」

氷室様は相変わらず僕の都合お構いなしに呼び出したり、怖いし痛いことをするけれどそれもこれも友情あってのことなのだろう。

「はい!氷室様。」

「お前騎馬隊の一番上になれ。」

「……はい?」

前期体育祭のことか(ここでは何故か二度も体育祭をする)。

騎馬戦といえばより俊敏でかつ、ハングリー精神が強い人が勝者になるあれだ。
「この俺様が直々に特訓してやるから。」

氷室様がいつもの全ての生物が平伏したくなる不敵な笑みを漏らした。

「あの、僕のこの体質では無理だと……あぅ!」

氷室様の痛烈な大振りのビンタ。

耳鳴りがする。

「特訓してやると言っただろう!お前は俺が決めたことに口だしするな。
ペットは返事だけしていれば良い。」

「……はい。」

氷室様、……怖いです。

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