《MUMEI》

何の取り柄のない 私に 授かった 不思議な力。


皆の為に 役立てよう。密かに 心に 誓った。



私は、篠塚 草加(しのづか そうか)
平松学園 二年B組の 一員。


このクラスは 皆 良い人だ。


「草加さん、おはよう。」


「はい、おはよう。」

「あいたた…」


「委員長〜どうした?」


「今朝 寝違えちゃって、首が…痛い。」


「……」
委員長の 背中を 擦る。


暫くして…
「あ、首が 痛くない。」


…うん、良かったな。心の中で 頷いた。


また 次の日…


「大丈夫?斎藤さん。」


「どうしたんだ?」


「あ、草加さん 胃が痛いんだって。」


「……」
斎藤さんの 背中の 胃の当たりを 擦る。


暫くして…
「あ、痛みが 消えた。」


…うん、よしよし。


こうして、人知れずに草加さんの 不思議な力は 役立っている。

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