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《MUMEI》 (おいおい、もう無理だ…) 時間を稼いでいた椎名であったが、もはや限界だった。 ｢ピピピ!!｣ ｢早くしなさい!!｣ 審判に怒られた。 ｢…いいな？行け!!｣ ｢はい。｣ ゴールへと戻る村木。 … ｢村木。中心から微妙にずれた位置に立つんだ。｣ ｢…？、そしたらスペースが…｣ ｢そう。広くなる。だからこそ相手はそこに打ってくる。｣ ｢あ…。｣ ｢ピピピ!!｣ ｢早くしなさい!!｣ ｢あとはいいな？行け!!｣ … ｢ピー!!｣ 西条のエース45がシュートを打つ。 恭介の指示通り立ち位置を微妙に中心からずらしていた村木。 その為、右側が少し広くなる。 西条のシューターはキーパーの立ち位置に違和感を覚えながらも、無意識に空いているコースへとシュートを打つ。 あとは… そこに飛び付くだけ。 ｢バシｯ!!｣ ｢ナイスキー!!｣ 点差は変わらず、赤高ボール。 ｢関谷!!｣ ｢え？｣ ベンチを見る関谷。 ｢交代だ!!｣ ｢…｣ ある程度予想はしていたが、やはりショックだった。 ｢よし、行け千秋!!｣ ｢はい!!｣ ちなみに… ハンドボールの交代はプレー中でも自由に行える。 前へ |次へ |
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