《MUMEI》
黒い噂
   〜歩視点〜


保健室に行こうと階段まで行くと小湊さんが話し始める。


「さっきの続きだけど北川さんがどうしたの?」


「何か前・・・黒い噂が多いとか言ってたじゃん?それを詳しく知りたいなぁっと・・・・・」


っと俺が言うと小湊さんは一瞬顔をしかめた後、手招きをした。


俺は小湊さんの指示に従い耳を近づける。


小湊さんは俺の肩に手を添え小声で話し始めた。


「泉も詳しくは知らないんだけど・・・

親友に彼氏ができたのが気にくわなくて、無理やり別れさせたとか

色んな男キープしといて貢がせたりとか・・・・・


他にも色々悪い噂あるみたいだよ」


「えっ本当に・・・?」

俺は、小湊さんの話を聞き声を漏らす。


「うん・・・。しかも親友とはそれから一回も口きいてないみたい。それに顔が可愛いから男の人はコロッと騙されるんだろうね」


小湊さんは、渋い表情で付け足した。


そんな奴を何で麗羅チャンは庇うんだろう・・・?


麗羅チャンも騙されているのかもしれない――。


・・・・・もしかしてその親友の子にしたように麗羅チャンも傷つけるつもりなのかも!!


それだけは絶対にさせない――!


その時、北川 真星の声が耳に入りそちらを向くと・・・


「麗羅チャン!!」


北川 真星の隣にいた少女――麗羅チャンの名前を呼び駆け寄る。


北川 真星をキッと睨みつけ麗羅チャンの腕を掴もうとすると――


パシッ


「触らないで・・・」


麗羅チャンの冷たい声と共に伸ばした手を払われた音が廊下に響いた。

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