《MUMEI》

――…その時……



――…ジリリリリンッ…!

重苦しい空気を切り裂いて、電話のベルが鳴った!



玄関へ向かう武の足が止まる――…。



武の母親は、飛び起きて受話器を取った!


「はい!剛田です!」


その電話が、娘が無事に見つかったとの一報だと信じて――…。




―――…しかし…………



「――…○△□×◎☆………」



電話の相手から発せられた言葉を耳にした瞬間…



受話器を握る母親の手がワナワナと震え──…



その顔がみるみるうちに蒼醒めていった――……。

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