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《MUMEI》 ◆◇◆ 「あったかいなー」 琥鬼が呟いた。 するといつものように、雪兎と風牙の二匹が繰り返す。 黒手毬は夜桜の肩でまどろんでいた。 しんしんと降り積もる雪。 風はない。 枝々の先は白く染まり、恰も花をつけているかのようだ。 こんな穏やかな時が、永久(とわ)に続けと願う。 だが、それは刹那の事。 いつも知らぬ間に、過ぎ去ってしまうのである。 ◆◇◆ 前へ |次へ |
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