《MUMEI》
窓から入る僅かな外の灯り。限りなく黒に近い灰色の中、俺達は静かに抱き合っていた。
厚い胸板に頬を擦りつけ甘えれば、優しく髪を結かれる。
はぁと溜め息を漏らせば背中を撫でられ、額に甘いキスを落とされた。
「――夏休みもうすぐおわっちゃうね」
「――うん…」
指に填る指輪で唇をなぞる。
――擽ったい…キスしているみたいだ…。
「――夏休み中いっぱいエッチしたね、――すっかり聖の虜にされたよ」
円を描く様に尻を撫でられ俺はハッと息を詰まらせる。
――虜にされたのは俺の方…、
割れ目に指先が這い、穴の近くまで来ては上に逃げられると躰がガッカリして全身がゾクゾクと震えだしてくる。
「……―――っ…、
イジワル、―――はあ、
みつぐぅ、入れて…」
ぐっと腕にしがみつき片足を横向きの長沢の腰に絡ませる。
それは指を露骨に受け入れ易くする為に…。
すっかり溶けた後ろに長い指が侵入しクチュクチュと動かされだす。息を殺し必死に腕に掴まり、腰を揺らせば…
「はぁあ…、イイ、――ヒン……んぅー…ンッ、ンッ、―――ンン…」
中から湧き上がる射精感に内股がビクビクと痙攣しだした。俺は必死にしがみつき甘い痺れに身を委ね…
「――――――ぁ…
……ふ……」
中だけで…指一本でイってしまった。
出した瞬間は熱かったシーツの濡れが、一瞬でひんやりと熱を下げた。
はぁはぁと息を整えながら俺はシーツに構わず長沢にしがみついた。
「―――夏休み終わっても毎日エッチしようね?」
「はぁ……―――」
気だるい疲れから一気に睡魔が襲い俺はゆっくりと瞼を閉じた。
遠くから鈴の音が近づいてくる…、最近家の子になったハルカとシェスターだろう。
大好きなネコ達はセックスの間いつもソファで大人しく待っていてくれる。
激しくチリンと音を立てベッドに上がってきた。
「すき…」
「――うん、愛してるよ、聖」
今日も一つのベッドで二人と二匹眠りにつく。
――もうすぐ…
長い休みが終わる…
・
END
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