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《MUMEI》 ◆◇◆ 「‥‥‥？」 昇り始めた月の光に照らされ、枝先に積もったが雪が、灯がともされたように輝き出した。 「‥‥‥‥！」 幻のような光景に、夜桜は目を見開く。 （‥凄い‥） 息をのみ、姫君は雪の花に見とれていた。 「わあ‥！」 「綺麗だー」 いつの間にか、妖達が起き出してそれを眺めている。 ふと彼女が我に帰った時には、もうその景色は夢であったかのように消え失せていた。 「───────」 雲のかかった薄暗い空から、再び、雪がちらつき始める。 ◆◇◆ 前へ |次へ |
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