《MUMEI》
二十一夜 六花の舞ひし宵
◆◇◆

「わぁ、雪だー!」

 妖達はぴょこぴょこと庭に飛び出して行く。

 その様子を微笑ましげに眺め、姫君は目を細めた。

(無邪気だな‥)

 舞う六花に、三匹は歓声を上げて飛び跳ねる。

「あまり燥ぎ回るな」

 彩貴が咎めた。

 妖を匿っているなどと誰かに知られる訳にはいかない。

 況してやこの事が帝に知れようものなら、只事では済まないだろう。

◆◇◆

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