《MUMEI》
仮通やと涙
人が亡くなるとすぐ、葬儀屋を探して、手配があれこれある。ベットでおかあさーんと泣き叫ぶなんて、ありえない現実だ。車を手配、家に遺体運ぶので家具の移動に掃除。親戚やらにも連絡しなきゃならない。心身ともに大変ってこのこと言うらしい。三姉妹と旦那様群六人忙しく駆けずり回る。知らんぷりしているのは白くなった母と、チビ等だけだ。 
仮通やも、にぎやかだ、親戚だけは。母の友人やら職場の方は、そんなの知らん顔で自宅に戻った母の枕元で涙を流す。当たり前の光景だ。当たり前ではないのは、泣く間もなく、疲れ切ってる私ら六人。それをわかっている親戚の方々の一人が、
「今日は、疲れたでしょう?明日からもっと忙しいから私たちにまかせて帰りなさい。貴方達には小さな子供もいるのだから、死んでしまった人も気に掛かるだろうけど、生きている人が優先よ。生きてる元気な人が倒れたら困るわよ」
ありがたい、言葉に甘えて三姉妹は明日からの支度のため、帰路についた。もちろん、三姉妹はそれぞれの車中でおお泣きをすることはわかっていた。

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