《MUMEI》 「温室では高品質な薔薇が養殖されていますでしょう。花びら一枚、一枚から庭師によって丹精込めて育てられてます。」 「見事なものだね。」 誉は賛美する。 林太郎は誉が隙あらば距離を詰めようとするのを注意しつつ、付き添った。 「赤は情熱だね。 僕、薔薇は棘が有る方が好きなんだ。」 満足気に誉は薔薇の香を華を近付け楽しんだ。 「……そうだ、馬に乗ったことはあるかな。」 「いいえ。」 「僕は乗馬が得意なんだよ、是非、雄姿を見て頂きたいな。」 はねつけられても構わないのが影近誉という男だった。 「では、私が受け持った部屋も見て頂けますか。」 そして圓谷林太郎もただでは起き上がらない男であった。 「勿論だとも。さあ、厩舎に行こう。」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |