《MUMEI》
起動ファレスト 中編
旧アメリカ上空
謎の戦艦から黒、白、赤、三機の機体が発進する。


三機の機体は、山岳の一部に、機体を停止させた。
三機の機体から、三人のパイロットが降りてくる。
三人の中、一人は、女のようだ。

三人は、発進時に持ってきた、車に乗り、走り出した。


政府軍
政府軍本部、旧アメリカワシントンにある、とあるバーにロストはいた。

薄暗いバー。サングラスをかけ、ブラウンの自分の髪をなんどか触りながら、グラスに入った、ブラウンの酒を飲む。
バーのテレビには、政府軍設立のニュースが流れている。
「マスター。」ロストが声をかける。
「はい。いかがしましたか?」
「あの写真は?」
テレビの隣に並ぶ、長髪の女性の写真を指差し、言う。
「そのご質問、どうしても答えなければなりませんか?」
「ん?差し支えるがあるならいいよ。」

「私の娘です。つい最近まで私の横でグラスを拭いていたんですが・・」

マスターの目には、うっすら涙がはっていた。
「この戦争、早く終わって欲しいです。無関係な人が命を落とす。私には、耐えられません。」
マスターは、バーの奥に消えた。
その時、テレビに臨時ニュースが流れた。
「ただいま、臨時ニュースが入りました。」
「旧アメリカ、デ、デトロイトが、炎上しています。」
若めの女子アナウンサーは思わず取り乱した。
「中継繋がっています。」
中継で上空からの映像が写る。

見たところ、町が有ったことさえ確認しにくい映像が流れる。
その画面に、炎で確認しにくいが赤い機体が写った。ロストは、そのシルエットに眉を潜める。
その機体は、ビームライフルの銃口を向ける。

ハッと思った瞬間、カメラには一瞬、光が写った。

テレビの中で、アナウンサーの悲鳴が聞こえる。

「罪の無い民間人に手を出すのか。やつらは!!」

ロストは酒代を殴り置き、店を素早く出た。

「戦争なんて!」
奥で見ていたマスターは言った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫