《MUMEI》 クリスマスプレゼント普通は二次会に流れるところだが、今日がクリスマスイブで、和馬と琴子が翌日早朝新婚旅行に行くから、披露宴が終わると、そのまま解散になった。 着飾ったまま電車に乗ったので、普段はかなり目立つところだが、クリスマスイブだからか、それほど注目は浴びなかった。 「じゃあ、咲子さん。蝶子借ります」 「あ、ごめん。一旦返して。兄さん達からプレゼント届いてたから」 「そんなの明日でいいじゃん」 「ごめんね、駄目なの」 私は口を開いた。 父は、華江さんと選んだプレゼントを毎年送ってくる。 そして、その日のうちに感想を言わないと…すねる。 (『俊彦といたから見てない』って言ったら印象悪くなるもんね) 「俊彦のプレゼントも持ってくるからね」 『シューズクラブ』の前で、不機嫌な俊彦にそう告げると、私は工藤一家と一緒に家に戻った。 (去年は、バックだったっけ…) 多分、華江さんが選んだと思われる白いバックは、丁度パーティー用にぴったりだったので、私は今日も使用していた。 工藤家の玄関を開けると、そこには小さな宅急便の箱が置いてあった。 私は箱を持って二階に上がって行った。 前へ |次へ |
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