《MUMEI》

「おい!!お前らあんま怒らせんなよ。」


「わり。」


「俺にボールくれ。」


「あ?いいけど?」


(やっと思いっきりできるな。すげ〜ストレスたまったわ。)


「ヒロ!!」


「おぅ!!」


1対1を仕掛けてくる立川。


付くのは2枚目峰田。


(こいつ遅い…)


練習試合でヤマト、聖龍高校の二ノ宮。


エースポジションを押さえるのはいつも峰田の役目だ。


それまで付いてきた相手と比べ、立川の突破はまるで凄味を感じなかった。


「ふぅ…。」


峰田のディフェンスに対し、諦めたかのような態度。


(パス?)


峰田の頭に一瞬よぎる。


その一瞬をついて、


「え!?」


立川が突破。


(早い!!)


一瞬動きを止めていた立川。


次の一瞬で抜き去る。


「ナイッシュー!!」


9対7。


「オッケー!!それでいいのよ!!ヒロ!!」


完璧仕掛けてきやがった。


「あいつ、すげ〜チェンジオブペースだな。」


「切り返しが早いな。」


「ちょっと特殊なタイプのエースだな…」


(峰田が付いたことないタイプだな…)


だからって言い訳にはさせね〜ぞ。


この試合中に慣れてもらうしかないね。

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