《MUMEI》 起動ファレスト 後編町中を全力で走るロスト。上空には、RP-43、42、の中に45が混じり、その先頭を10機ほどだろうか、ネオが率いて高速で飛んでいく。 ネオは、中央軍の6艦のうち、1艦に8機配備されている。それが10機。それだけ事態は深刻ということだろう。 トルゥルルル・・ロストは電話をかける。 「はい。もしもし。」 「金か?」 「はい。ファレスタですか?」 「ものわかりいいね。」 ロストの表情が少し緩む。 「第四格納庫来てください。」 電話が切れた。 ワシントン基地、政府軍の量産機が多く立ち並ぶ。そんな基地のなかの一角に、第四格納庫はある。 息切れしながらも、ロストが来た。 「お待ちしてました。」金が来た。 「もう出れますよ。」 「あぁ。」 間近に見る自分の専用機、ファレスト。その灰色の姿に少し見とれた。 コクピットに入る。 モニターが起動し、動かせる。 「金、ありがとう。」 「はい。」 ファレストは飛び立った。 旧デトロイト その町であった町では、三機の機体と数機のネオが、戦っていた。 ビームを撃つネオ。交わす機体。 政府軍のエースですら、三機のビルには、なかなか互角には戦えない。 飛び交う閃光。 ビームを避ける瞬間、隙のできた一機のネオに、今、赤い機体はビームサーベルを抜き、斬りかかって行く。 その時、上空からビームが飛んできた。 そのビームを避けると同時に赤い機体[ビル]は、上を見上げる。 そこには、剣銃を持つ灰色の機体、ファレストがいた。 「やっぱりお前らだったかか!・・ビル!」 ファレストは、剣銃の銃口から延びる、ビームサーベルを出し、赤いビルへ斬りかかる。 避けきれないためか、ビルは、ビームサーベルで向かい撃つ。 ビシッ 光を散らし、ビームサーベルは、交わる。 「ハアッ!なぜ関わりのない民間人をころす!?」 ロストは力を更に加える。「・・・」ビルのパイロットは答えない。 ビルも更に力を加える。 バシッン ビームサーベルの刀身が、消えた。 両方共に、エネルギーが切れたようだ。 瞬間、ファレストは、ビームを撃つ。 ビルは、さかさず盾でガードするが、その盾は長くは持たずすぐに壊れた。 そこへ、ファレストは、剣銃で殴りかかる。 ドガン 鈍い音とともに、ビルは地面に叩きつけられた。 「終わりだ!」 ファレストが剣銃を構えた。 前へ |
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