《MUMEI》
育児放棄廃棄 完
妹たちと、日記に関してしゃべる事はなかった。それぞれの思いはあっただろうが。今はお墓の隅に入れてある。二度と見ることはないであろう、今ごろはボロボロになっているかもしれない。
娘も今は小学生。二人目をなかなか授からなかった。かわいそうだか一人っ子。美香には二人の男の子に恵まれ、香美は三人の女の子に恵まれ、二人とも専業主婦をたのしんでいる。私はもう、学校に放り込まなくても自ら
「行ってきます!」
と、出かける娘を返事だけで行かせている。
「はい!」
と、一言。保育園に投げて育児放棄とはうらはらで、実は今は娘がいとおしくてたまらない。一緒にいてくれないからだ、友達と居るほうが楽しいらしい。私も我儘な母親だなぁとつくづく思う。一度は放棄したのに。今は同じように会話の出来る娘とたまに話すのが楽しみだ。次に話してみよう
「おばあちゃんの顔おぼえてる?」と。
私の日記もきっと、いつかは娘にみられて、天国で恥ずかしい思いをするのだろうか。その時は大きな孫がいるんだろうな。母を思い出すと香りも思い出す。 
さて、三姉妹の旦那様群は浮気もせず、日夜、旦那様軍となって、仕事に育児に戦っている。          完

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