《MUMEI》

氷室様による地獄の特訓の始まりだった……。

僕は氷室様の上に立つように支えられる二人騎馬で、鍛えられた。
勿論、マットは無しで容赦無く振り落とされる。

「氷室様あぁぁ、もう駄目です……。鞭打ちになります……」

部活は休み、部屋でひたすらに騎馬の練習をした。終われば謎の漢方を擦り込まれる。
毎週、燃えるゴミの日は誰よりも早くに大量の毛が詰まった袋を出しに行く。
寮の都市伝説となっているようだ。

「……鞭打ちね……」

氷室様は鼻で笑った。

「あ……氷室様無理です」

鞭だなんて、氷室様なら間違いなく所持していそうだ。





「あーかーしーくーん」

ええ、渡部君?!
突然の訪問者だった。

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