《MUMEI》

「酔った勢いでキスしただろ?」

乙矢の鋭い指摘。

「読んだな!」

俺の考えは筒抜けなのか?

「自分で言っちゃった?」

乙矢は俺の脳を開いたことあるのか?

「告白はしてない。ただ、ゲイであるとは言った。」

「変わらないじゃないか。ほら、此処で曲がる。」

道を指摘する余裕まであちらにはあるようだ。

「俺の性癖を知ってもあいつは友達でいてくれたんだよ。
でも、あのな……向こうには彼女がいた訳よ。

で、夜の営みにアナルファックをしたいらしくて……。」

重たい空気だドライブには向かない話題だ……。

「関係を持った?」

「違うよ。

夜に、公園に来るように呼び付けて、俺は酒をしこたま飲んでセフレとヤる訳ですよ。
徳和が怒りながら俺を止めに入ってくれるのが嬉しかったんだ。
俺はそれがクセになって、セフレを作りまくった。
事が終わるまで待って酔った俺を徳和は迎えに来てくれる。
……日曜日だけね。」

「馬鹿だな。」

バッサリ斬られた。

「だよなぁ、自分でも自覚している。」

こんな馬鹿な昔話であっという間に家に着いてしまいました。


そして足元に別の動くものが……

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