《MUMEI》
…? 〈おれ〉
「…キ、キスは!!
―…本当に好きな人としかしないって決めてるの!!」



結構でかい声で、蓬田が言った。


おれの声だし、何か迫力ある…



驚くと同時に、下腹の辺りがきゅうっと締め付けられるような痛みを感じた。



…それから、何かワケの分かんない話に突入しそうになった時、



「あ!!そうだ、おにぎり作ってきたんだけど、食べない!?」



と、蓬田が提案した。



「マジで??食う!!」



正直、なんで今おにぎりなのか分かんなかったけど、
頭がぐちゃぐちゃになってたから助かった。



「美味しくないかもしれないけど―…」



そう言って蓬田が鞄から出したのは―…



『何かの白い粒がなんとなく引っ付き合った物体』



って感じのものだった。



…よーするに、言葉に出来ない感じ。


だけど、それを一生懸命作ってる蓬田の姿が目に浮かんだ。

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