《MUMEI》

飯を食い終えたころ、丁度チャイムが鳴った。



「は、ほおんはいと!!」



蓬田が歯磨きをしながら言う。
(『あ、戻んないと』だ)


「…あー…、じゃあ、お前先に戻ってて」


「ははっは!!」

(『わかった』だ)



蓬田が急いで口をすすぐ。



「じゃあ、先に戻っとくね!!」



蓬田が去った後、保健室にはおれとセンセーだけが残された。



しばらくの沈黙が続いた後、センセーのほうから口火を切った。



「…話したいこと、あるんでしょう??」


「え!?」



―…なんで、わかったんだ!?



「…だてに養護教諭やってないわよ!
なんでも話しなさい。
―…力になりたいのは、本当なんだから」



そう言われて、気が楽になった。



「―…あの…入れ替わった原因のことなんすけど…」


「なに??新しく心当たりでも?」


「心当たりってゆーか…、ネコのことなんです」


「…ネコ、っていうと―…ようちゃんが助けたっていう??」


「…はい。最近、よく白猫を見るんです」


「…白猫なんて、どこにでもいるわよ?」


「でも、なんつーか、変な感じで…」



おれは、引っかかってることを話し始めた。

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