《MUMEI》

「和馬と一緒で結婚式終わってから」


祐介さんの質問に、俊彦が答えた。


「でも、もう一緒に住んでるんだろ?」


「今はまだ『外泊』中。引越しは、蝶子の親にちゃんと挨拶してから」


「変わらないじゃん。毎晩ラブラブだろ?」


「そりゃ、もう…」


「やめろ、二人共」


「「あ…」」


盛り上がる俊彦と祐介さんの会話を聞いて、私は真っ赤になってうつ向いていた。


(圭介さんが止めてくれて良かった)


私は、予定よりやや高めの合挽肉を買い、『白石肉屋』を後に…


「あ〜、新婚さん発見!」×4


(自分達もそうなのに…)


しようとして、二組の『新婚さん』に捕まった。


「どうもどうも!新婚さんです」


「初々しくない…」×3


胸を張って答える俊彦を見て、冬樹さん以外の三人が呆れたように言った。


(…恥ずかしいなあ、もう)

グイッ


「へ?」


うつ向く私を夏樹さんが突然引っ張った。


ギュッ


「蝶子がその分可愛いから許す!」


そのまま私は夏樹さんに抱きしめられてしまった。


当然…


「ちょっと、夏樹さん!」

俊彦は、怒る。


「「ストップ、俊彦!」」

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