《MUMEI》

(余計なお世話だったかな?)


二人が無言だったので、私は後悔した。


雅彦似のおじさんは、爽やかに笑った。


「そんな事言われたら、本当に行くけど、いいのかい?」


私は頷いた。


「変に気をつかわなくて、いいのよ?」


俊彦似のおばさんが、不安げに訊いてきたから、私は首を横に振った。


「俺は、蝶子と二人でも構わないし、気にしなくていいって言うのに、気になるみたいでさ」


「だって…俊彦のお父さんとお母さんだし」


私の言葉に三人が固まった。


「俊彦!絶対別れるなよ!」


「そうよ!」


「わかってるよ!」


(よく、わからないけれど)

どうやら、私は村居のおじさんとおばさんに


お義父さんとお義母さんに気に入られた、らしい。


「結子さんもしっかり者でいい嫁だし、…良彦は、まぁ、あれだけど、可愛い孫ではあるし、これで、蝶子ちゃんが加わって、うちも更に安泰だな」


お義父さんがホッとしたように言った。


「可愛い孫、いっぱい作ってね」


小声で囁くお義母さんに、私は『頑張ります』と答えた。

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