《MUMEI》
一緒に居よう
「天兎、ラビ?」


「はい、よろしく。」

目の前で 起きた事に 戸惑いながら、ラビの話を聞く。


「ラビは 独りぼっち。住む所もない。でもカイト助けてくれた。私は カイトを 守りたい。ラビ 役にたつ。側にいたい、ダメかな?」


片言な言葉。変身する兎。僕の前の少女は 孤独だと 言う。


「ラビも 独りぼっちなんだ。僕も…本当の自分は 分からないんだ。」


「いいよ、僕と一緒に居よう。」


ラビの顔が 嬉しそうに 輝いた。


「あ、でも普段は 兎の姿で いいかな?二人きりの時は 人間でも いいけど…。」


…ピアとジャンニに 説明出来ないし…


「うん、わかったよ、カイト、ありがとう。」


翌日、兎を飼いたいと ピアとジャンニに頼んだ。食物を扱う店には 動物は 歓迎されない。僕は 店に入らない条件で 認めてくれた。


「はじめて、カイトが私達に 頼み事をしたわ。」


「そうだな。嬉しいな。我が儘言わないからな、カイトは。」


二人共に 笑顔だった。

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