《MUMEI》

虫のように小さな衛星は、二人を中心に2メートルほどの円を描く軌道に乗った。


自分達を監視する衛星が、近くを飛び回っていることも知らず、二人はスネオの自宅へと歩き去っていった。



ドラミは物陰に隠れてその様子を見送っていたが、やがて安堵したように踵を返した――……。



「…こんな事して、ごめんなさい…。」


ドラミは二人をコソコソ監視する手段を用いたことに、後ろめたさを感じて詫びた。


「でも……これで何か掴めればいいんだけど…。」



徐に、衛星からの送信映像を映し出すモニターを四次元ポケットから引っ張り出した……。

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