《MUMEI》
夏の終わり
あの雨と雷は 夏の夕立だった。夏には当たり前のようにやってくる。    大したことではなかったがやはり、夏海は母親に叱られた。げんこつをいただいたのだ。
「そう いえば なんで 夏海は冬に生まれたのに 夏って漢字のある 名前なの?」
あまり反省してない夏海が母に聞く。
風呂からあがり、夏海と由佳と千明がかき氷を食べてたら、由佳の母に聞かれたのだ。それで答えられず、皆でワイワイと、名前だけで、話がもりあがっていたのだ。クラスにいる、男子の翔人と翔人。同じ漢字なのに読み方が違うとか、山本って名字が五人もいるとか。女子はなんでも、楽しい会話を作り上げる天才だ。
「名前の由来ねー、お母さんも、お父さんも、住んでたところは、違うけど、二人とも海の近くで育ったのよ、二人とも海が大好きだし。あとは、字画で決めたかな?結婚したら名字変わるけどそれまでは、いい名前でいさせたくて。それが、どうかしたの?」   「別に、さっき、由佳のおばさんに聞かれてそれから、みんなで話がもりあがってさぁ」
何も反省してない娘に、母はため息をもらす。   夏海は自分の誕生日を思い出す、一人っ子だから、父も母も、盛り上げてくれる、友達も呼んでもいいと、三人家族でやったこともあったっけ?あれ?あれはクリスマスだっけ?などと。
そんな、ありふれた夏休みが終わりを迎えようとしていた。 そういえば、宿題の結果。クマゼミが五匹多かった。夏休みの友完了。貯金箱は、カンジュースに紙を貼って終わりの、お粗末に終わった。     ヒグラシが、忙しそうにパーティーを始めた。夏は終わる。

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