《MUMEI》

「失礼しま〜す。」


「お、来たか。」


何だ何だ?


「何すか?」


「安本先生〜。」


安本?


聞いたことない名前だな。


「こちら新任の安本先生。」


「…はぁ?」


何だよ?


「ハンド部の顧問になる安本です。よろしく。」





顧問!?


「キャ…、キャプテンの美山です。」


そうか…


そういや顧問いなかったんだっけ。


ハンド部って。


「新任の先生だからな。迷惑かけんなよ。」


「いや、わかってますよ。」


「…」


何だ?


初対面だから?


無愛想な感じだな。


「あの…?」


「え?何?」


聞きたいことはいっぱいあったけど、とりあえず一番気になっていたことを聞いてみる。


「ハンドの経験は?」


「ないよ。ルールも知らないんだ。」


「あ、そうすか。」


マジかよ…


こんな奴が顧問で大丈夫なわけ?


「よろしく。」


さっき聞いたよ。


「よろしくお願いします。」


不安だ…


そう思ったけど、


クロさんに教えてもらえばいいか。


そう思ったから、


まぁいいか。

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