《MUMEI》
ラーテの陰謀
理恵華から電話が来た。
「滝…久しぶり」

俺はペンを片手に電話を取る。
「お、おう」
「ラーテの企み、聞きたい?」
「分かったのか!?」
叫ぶようにして話すもんだから、理恵華はびっくりした。
「そんなでかい声あげなくても聞こえるわよ!」
「ああ…ごめん」
「知りたい?」
俺は窓を開けながら理恵華に答える。
「早く教えて」
「そう…もう後ろに居るわよあなたの後ろに」
ふっと振り向くと、理恵華がいた。
「ヤッホー」
ガチャン

「理恵華…てめえ」
「マジック」
「馬鹿」

古い冗談はさておき。
「なに?どうしたの?」
「早く陰謀を教えてくれ!みんなが死ぬ前に!」

俺の顔はさぞかし焦っていただろう。

「フフフ…私が倒されるわ」
「なんだって…!」
「だってそうでしょ?敵側の秘密を暴かれたら、誰だって殺すわ」

理恵華から秘密が漏れたら…俺はどうなる…

「俺を殺す事だろう」
「正解」

瞳の目線が鋭く当たる。
「た〜き〜」
「うわぁ!」
俺は飛び上がった。
なにせ、耳元で囁かれると…
「あら、理恵華さん。久しぶり」
「元気そうね」
「お前、帰れよ!」
「嫌よ…あなたと一緒に居たいもの」

俺達…付き合ってたっけ?
「とにかく駄目だ!仕事に関係無いのに…」
間違った事は言っていない。
事実を言ったまでだ。
「分かったわ…ややこしいのは嫌いだしね。もう少し偵察してくる。」
そういうと、窓から飛び降りた。
「おい!危ないぞ!ここは2階…」
でも、ちゃんと走って行った。

「全く…不思議な人ね」
「あぁ…」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫