《MUMEI》

6日。


赤城北高校にとっては、大きなイベントがある。


仮入部期間。


新入生が、興味のある部に見学に行ったり、


もう部を決めているやつは、練習に参加する。


是が非でも部員のほしい部活は、ここぞとばかりに勧誘する。


そんな中ハンド部は…


「ハンドボール部!!部員募集中〜!!」


「経験者、未経験者問いませ〜ん!!」


「マネージャーも同時募集〜!!」


昼休みに1年生の教室の前で必死に勧誘していた。


「関谷さん?」


「なに?」


「自分ハズいっすよ!!」


「俺だってハズいよ!!でもクロさんの命令だからな…」


クロの命令。


それは…


「どんなことしても、新入部員10人集めて来い。」


というものであった。


「10人かぁ〜…」


マイナースポーツであるハンドボール部が、10人部員を集める。


簡単そうに思えるが強豪高でもない赤高が10人となると、中々難しいのだ。


「マネージャーかわいい子はいんね〜かな。」


「…椎名くん?」


「あ、そういう意味じゃないから。」


本音を溢した椎名。


マネージャーの佑香は冷たい視線を送っていた。

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