《MUMEI》
違和感
   〜歩視点〜


「そろそろ授業始まっちゃうね!教室戻ろうか?」


小湊さんが明るい声で質問する。


俺は頷き歩き始めた。


教室に着き、辺りを見渡すとまだ麗羅チャンの姿はなかった。


先に戻って行ったはずなのに・・・


心配した後に何故かホッとする自分がいる。


そんな自分に嫌気がさす。俺・・・・・こんなに弱かったっけ?


自分の席にドカッと座りながら違和感を感じる。


あれ・・・・・??


もう一度教室を見渡す。海と栄実の姿が見当たらない。

海と栄実まだ来てないのか?


もう1限始まるのに。


そんなことを考えていると1限の始まりを知らせるチャイムが鳴り、授業が始まった。


後で海に電話してみるか・・・・・。


先生が出席をとっていると

ガララッ


っとドアの開く音がし、目をやると


麗羅チャンと北川 真星が教室に入ってきた。


その時、麗羅チャンと一瞬目が合ったがすぐにそらされた。


前ならドキドキと音を奏でていた心臓も、今はズキズキと悲鳴をあげるだけだった。

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