《MUMEI》
クリスマス
またまた、クリスマスがやってきた。 あちこちではクリスマス色でクリスマスソングしか 流れていない。 不思議だ。不思議だ。沢山の歌手がいて、沢山の歌謡曲や演歌がありふれているのに、何故、クリスマスになると、クリスマス一色なのか?       八百屋の千明の家のまわりは、クリスマスデコレーションをしてある。    「八百屋だよ!八百屋のくせに、うちの親、毎年クリスマスデコレーションだよ、おかしくない?はずかしいし、私も借り出されて、セッティングだよ。  お年玉はずむからって、いつも、つられるけどさ」  まだ、その当時、クリスマスデコレーションは流行っていなかったので、異様な八百屋だと評判だった。しかし、クリスマスイブとクリスマスには、買い物に来てくれた、子供たちには、千明のおじさんもおばさんも、駄菓子の飴を一つ、おまけしてくれた。    由佳のうちは、少しの間、留守なので、今は千明と二人の時間ばかりだ。   〈冬休みの友〉の宿題の算数がおかげで、はかどった。
夏海のクリスマスは父母と三人で迎えた。クリスマスプレゼントは母からスカートを買ってもらった。サンタはいないことは小学一年のクリスマスに知ってしまったのだ。
それまでは、『サンタはいる』 と、しんじていたのだから。

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