《MUMEI》
麗しきは女帝!?
 眠い…気持ちよいほどの眠気。
私はきっと睡眠薬をもられたのだろう。私をおとしめるために。 

 即位式にいない女帝はそれだけで権威を剥奪されしかねないからな。 

 私は自分に負け深い眠りについたのだった…。 



 夢をみた。母上と一緒に草原を駆け巡るあの日々。とても幼き頃の思い出。

 まだ帰りたくないと言うと母上は置いていくわよとちょっと怒り気味に言った。
私は渋々ついていく。
 
 私は昔から少々わがままだった。
なぜ些細なことすら母上の言うことを聞けなかったのか悔やまれる。 


「きゃー!!女王様ー!!」
歓声が上がった。私は目を覚ました。外が騒がしい。
窓の外を覗き込む。宮殿の周りに人、人、人だらけだ。 

なんだ?暴動か?いやちがうな、これは…即位式!?
壇上にいるのは…私!? 

「皆さん、今日は私のためにお集まり頂き、ありがとう。私は今日、はれて女帝となります。」

「なんと麗しいお姿か。これが若き女王…」皆は口々にその女王を誉める。 

私はここよ!そいつは偽者よ!!

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