《MUMEI》 公園のベンチで、二人は静かに語り合った。 …とは言っても二人の会話の9割はしずかが一方的に喋り、ドラミが残り1割の相槌を返すような内容だった。 しずかは、亡くなったのび太とドラえもんの思い出話をとうとうと語って聞かせた。 ――…ドラえもんの秘密道具で遊んだ思い出… ――…のび太という心優しい少年の思い出… しかし、暫くして長い語らいが沈黙によって途切れると――… 「――…どうして……こんなことになったのかしら…?」 ―――…グスン…。 最後にしずかは、涙を一つしゃくり上げた。 前へ |次へ |
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