《MUMEI》

*+*




「──────ゎ‥」

希は

開けた

目を

円くして

小さく

声を上げた。

それから

マジマジと

薬指に

はめられた物を

見つめた。

「これ‥指輪?」

「うん。でも──出店で売ってたやつなんだけどね‥」

「嬉しい──」

希は

手を掲げて

指輪を

星明かりに

翳した。

「ありがとう。大事にするね、これ」

「うん。ぁ‥、ねぇ」

「ん?」

「いつか──」

「いつか‥?」

「ううん、やっぱり‥」

もう少し──

後になって‥

ちゃんと

決心が

ついたら

言おう。

でも‥

希は

もう

気付いてるかも

知れないけどね──。




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