《MUMEI》
2強へ。
迫る大会。


高校生の部は12日、水曜から3日間にわたり行われる。


15日、土曜日から2日間にわたり、社会人の部。


という予定だ。


大会に向け熱が入るのは、赤高の選手たちだけではなかった。


海南クラブ。


クロ、翔太、恭介たちが所属するこのチームも、


練習に熱が入る。


通常週に1〜2回の練習が、大会1週間前から、毎日の練習へとなっていた。


練習場所は海南高校。


通常高校生の練習が終わってから使うこととなっているが、


恭介の提案から、高校生の練習に混ざろうということとなった。


働いている海南クラブのメンバーは参加することはできなかったが、


学生たちを中心に、海南高校との練習を行っていた。


普段は参加することができないクロも、赤高の練習が早く終わった日には、外でのランニングを安本に任せ、海南高校との合同練習に参加していた。


バイトの時間も無理を言って深夜帯にしてもらい、疲れながらも練習に参加。


「クロ?大丈夫か?」


「何が?」


「いや…、疲れてるんじゃない?」


「それは皆一緒だろ?てか、僕、授業中寝てるし。」


睡眠時間が大幅に削られていたクロは、


学校を遅刻。


さらに授業もほとんど…


いや全く聞いていなかった。


「クロ?」


「あん?」


「絶対勝つぞ。」


「何だよ急に!!」

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