《MUMEI》

「…さて、行くか。」


この日も、海南高校生の練習に参加。


「ちわっす!!」


「おっす。」


海南は、恭介の出身高校。


クロや翔太も最初はアグレッシブになれなかったが、


一緒に練習を重ねることで、


高校生とも仲良くなっていた。


「クロさん?」


「ん?」


(えっと…、確か…)


そう!!


千葉…


千葉なんとかくんだ。


「クロさんて赤高のコーチなんすよね?」


「うん。そうだよ。」


「赤高って大会出るんすか?」


「え?」


「いや、ずっと出てなかったから。」


「あ〜、出る出る。当たったらよろしくな。」


「あ〜、はい。」


千葉雅也。


海南高校のエース45。


彼の心境はこうだ。


(赤高…、8強に残るくらいの強豪高だったのに急に大会に出てこなくなった…。考えられるのは…、人数不足だ。)


そんなチームに負けるとは到底思えなかった。


念の為、赤高の情報を頭に入れておきたかっただけ。


千葉の頭にあったのは、


聖龍高校、


秀皇大付属の、


2高。


(優勝は聖龍か、秀皇?俺たちを忘れちゃ困るな。)

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